妊活とデトックス 吉冨信長

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2023.12.15

栄養

妊活とデトックス|吉冨信長

今回は、栄養カウンセラー/分子栄養学セミナー講師、株式会社コミディア代表取締役の吉冨信長先生に、妊活とデトックスというテーマでお話をいただきました。デトックスというと、何か特別な酵素ドリンクを飲んで行う、などではなく、スーパーなどにも置いてある食材を普段の食事に気をつけて取り入れていくだけで、可能になのだとか。吉冨先生に、デトックスのプロセスなど、詳しくお話しして頂いていますので、是非ご覧ください。

生殖能力を低下させる内分泌撹乱物質って?

妊活とデトックスということでお話をさせて頂きます。

妊活においてのデトックスは非常に重要です。その理由が妊娠を阻害するものが色々な研究でわかってきています。ご存知かも知れませんが、生殖能力を低下させる内分泌撹乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ)、これは男女性ともに生殖機能を低下させるものです。

まず、2017年に発表された論文です。「生殖能力を低下させる内分泌撹乱物質「J Endocrinol.2017 Jun;233(3):R109-R129」この中で、代表的な有害物質を挙げています。まず、ヒ素、鉛、水銀、そしてビスフェノールA、フタル酸エステル、農薬、除草剤、ダイオキシン、パラベン他にも色々あります。この論文に書いてないのもたくさんあります。この論文の絵を取り出してみました。


特に女性ホルモンは、すごく重要になってくるわけですが、性ホルモンでそこに関わる臓器としてまず脳の視床下部が挙げられます。下垂体、卵巣や子宮、こういったところに有害物質がネガティブな関係にあり、悪さをするということが書かれております。ここに書かれていない有害物は他にも沢山あります。


私は九州北部に住んでおりますが、黄砂に含まれるPM2.5とか、他にも目に見えない放射性物質をいつの間にか取り込んでいるかもしれません。特にこの近代化された社会では、様々な有害物質に皆さんは囲まれて暮らしています。


ところが体は、このような物質(毒)を排出させる下毒機構というものがあるわけなんです。今日はそれについてお話ししたいと思いますので、参考にしてみてください。

デトックスって何?

デトックスでそもそも何かと言いますと、英語ではデドキシフィケーションと言い、この略語です。デトックスとは、体内に溜まった有害な毒物を排出させること。よく、下毒って耳にしますよね。通常、体はデトックスを常に行っています。

しかし、先ほどのような下毒が難しい物質の場合は、どのようにすれば良いのかというと、何かしら栄養成分を意識して摂ることや、植物の成分を利用して、そのデトックスを特に促進させていくということが必要になります。できれば、普段の食事でいつの間にかそういった毒が出ていく、これが一番理想的です。

肝臓が最も大事?デトックスの要は肝臓。

まずデトックスの場所は主にどこで行われるでしょうか。各組織で大体行われていますが、メインは肝臓です。肝臓というのは体内最大の臓器と言われていますが、1つはいわゆるエネルギー源を貯蔵をする場所です。

タンパク質を合成して貯蔵したり、油を合成したり貯蔵したり、そういったことを行っています。グリコーゲンや、アミノ酸を供給したり糖質を供給したり、エネルギー源の場所であるということです。

2つ目は、簡単に言うと各組織に必要な成分を肝臓で作ってあげるという役割があります。化学工場ですね。

3つめは胆汁の合成です。胆汁というのは皆さんが油などを摂った後に消化酵素リパーゼと反応が難しいので、胆汁があることによって油と混ざり合わせて乳化され、乳化されることによってリパーゼと反応することで胆汁が合成されます。胆汁は実は肝臓で作られていて胆嚢で貯蔵されています。

そして4つ目が解毒(デトックス)ということです。こういった働きがあって、特に現代人にとって重要なのは、この肝臓における下毒ということになります。

こうした下毒作用には生体にとって有毒な物質を無毒化したり、体外に排出したりする仕組みがあるわけです。解毒作用は、小腸とか脳とか肺すべての組織にあるんですが、中でもやっぱり肝臓が重要である、ということです。

肝臓で解毒する物質ってどんなものがあるの?

肝臓で下毒できる毒物について、お話ししたいと思います。まずは、アルコールです。

アルコール成分、他の汚染物質、化学薬品、農薬、除草剤、植物の毒、重金属、酸化二次生成物アルデヒド、カフェイン他、バクテリア、発癌性物質、放射性物質、PCB、BPA(ビスフェノールA)、アフラトキシン、カビ毒、あと染める染料、ホルモンなどがありますが、基本的に肝臓で下毒をすることができます。

肝臓は3つのフェーズでデトックスを行う

では仕組みを考えていきましょう。なにか有毒成分があった場合に、3つの仕組み3つのフェーズで、下毒していきます。

フェーズ1:脂溶性の毒を酵素の力で水溶性に変化させる!

まず有毒成分を肝臓に取り込んだらCYP450といった酵素があると思ってください。これが有毒物を別の中間代謝物に代謝し、水溶性にしていきます。生殖を特に低下させるような難しい毒は、脂溶性が多くなります。

つまり、油に溶けやすい性質があります。こういった毒はいろんな組織に行きやすく、特にホルモン系の組織に行きやすいです。またデトックスが難しいんですね。水溶性の毒であれば、簡単にデトックスされ、体外に出ていきます。

ところが難しいのは油に溶けるものは、蓄積されやすくなります。そこで、CYP450という酵素で体の酵素が働き、有毒成分を水溶性にしていきます。この酵素が作用するときに鉄がいるんですが、鉄不足だと、なかなか動かないかもしれません。

フェーズ2:さらに毒素を水溶性に高める!

その後、フェーズ2でより水溶性に持っていって、水溶性にした毒物を、グルタチオン抱合で捕まえます。硫酸化で捕まえる、グルクロン酸抱合で捕まえるんですね。キレートするんです。こういった働きはフェーズ2で起こります。

フェーズ3:便をはじめ、尿、汗などで排出する

フェーズ3では、尿、汗、便、排泄、特に便です。便での排泄もちろん尿とか汗でも出ますけれども、便でほとんど排出されます。だから便秘の方は気をつけなければいけません。

一番のデトックス。毒の多くは便となって出て行く!

便秘の定義は、医学で定められていると思いますが、私が言う便秘は1日に1回便が出なければ、もう便秘と思った方が良いです。だからまず、そこを解決しないといくらデトックスしても出ていかないです。また体の中で循環されていく可能性があり、腸で再吸収されます。だからこそ、便秘を改善しなければなりません。

尿は少量です。汗も出ないことはありませんが、脂汗を出すくらいまで運動しなければ難しいものです。やはり、一番のデトックスは便が出ていくことです。

生殖機能を低下させるのは脂溶性の毒。だから水溶性にするのが大事

繰り返しになりますが、皆さんの体を悪さする生殖能力を低下させる毒というのは脂溶性毒です。これをフェーズ1のCYP450でヒドロキシル化で水溶性にする、もしくは小さく分解したり活性型にした状態にしていく。結局、科学反応は、水溶性で行われます。

体の中では、色々な化学反応がありますが、油系というのは、油に溶けやすい系をできるだけ酸化させたり、水溶性にしていくんですが、化学反応がうまくいくからなんです。この下毒(デトックス)も同様に特に油に溶けやすい毒は難しい。難しいから肝臓に運んでヒドロキシル化、水溶性とか、活性型にして化学反応しやすくなる。ただしこの時に活性酸素が生まれやすくなります。

デトックスプログラムには活性酸素対策が必要

デトックスプログラムを組む時(デトックスを実践する際)に、副作用で体がだるかったり、きつかったりします。それは、活性酸素によるものです。そのため、本格的なデトックスプログラムを実施する際は抗酸化対策も必要になります。

活性酸素が生まれますが、フェーズ2でグルタチンオン抱合を始めとし、水溶性が高まり、フェーズ3で細胞の外へ出して腎臓に送られ、尿または胆汁と一緒に便に出ていくと。こんな仕組みがあって、それぞれ栄養が関わっています。

例えばフェーズ1では鉄とかビタミンCは、CYP450をうまく働かせるために必要です。また、ビタミンB群がすごく必要になってきますから、普段からビタミンB群とってない方がデトックスプログラム組むと、副反応が強く出ます。ですから、普段からビタミンB群をしっかり摂って、体の細胞を整えておかないと、デトックスプログラムを組むのは難しくなります。

また、フェーズ1対策としてはフラボノイドとかケルセチン、ミルクシスルとかこういったものも有効という話があります。さらに、活性酸素対策としてビタミンC、A、E、セレン、亜鉛、CoQ10、抗酸化成分もおすすめです。こういったもの普段からサプリでなくても良いのですが、食事で3食しっかり摂っておくことで、活性酸素が生まれてもやられずに済むということなんです。

またフェーズ2ではこういったいろんな成分があります。

・マグネシウム・モリブデン・メチオニン・MSM・B5,B12、フラボノイド、スルフォラファン、クルクミン、リモネン、グリシン、タウリン、グルタミン、システイン、リシン、アルファリポ酸、コリン、タンポポ、アーティチョーク。
特に抑えてほしいのマグネシウムとするスルフォラファンです。

スルフォラファンとか、アルファリポ酸も使いますね。タンポポ茶などもいいですね。こういったものをとっておくといいという理論です。ちなみに、このフェーズ2の下毒というのは、癌を予防する仕組みでもあると言われています。

ではフェーズ3はどうなるか。「ベントナイトクレイ」という言葉を聞いたことはありますか。泥ですね。こういったものが、よくデドックスにいいよと言われています。

あと活性炭です。これも結構使われます。活性炭は、有害金属の排出にとても良いのですが、有益なミネラルまで排泄するぐらい強いんです。強いから、使用には頻繁に使わないようにしたほうが良いでしょう。使用には2〜3日に1回または週に1回という使用頻度のパターンもあります。また、クロレラもデトックスに良いと言われています。

あと病院に行くとキレート剤を使いますね。EDTA、DMPS、DMSA等を使います。

デトックスを誘引する因子を食材で摂ろう!


普段の食事で重要なのは、Nrf2を活性化させるということです。Nrf2というのは、デトックスを誘導する因子のことです。転写因子があり、環境ストレスがあると、Nrf2という転写因子が活性化して、下毒代謝とか抗酸化に働く酵素の遺伝子を発現させる働きがあります。

Nrf2が活性化することによって、下毒代謝、抗酸化酵素が活性化する仕組みがあるんです。では、そのNar2を活性化する食材について説明します。

1点気をつけなければならないのは、Nrf2は、皆さんが毒を沢山取り込んだ時にも上がりやすいため、研究レベルでは、有害物質を取り込んだ時の指標にもなっています。そこがややこしいところでありますが、基本は食材であげていくということが大事です。

まず、有名なのクルクミンです。クルクミンは、ターメリックです。あとは、ニンニクです。

あと私がお勧めしているのはブロッコリーなどのスルフォラファンです。これは一番重要です。あとEGCGというのは緑茶です。

あとベルベリンやケルセチンが重要ですね。ケルセチンは玉ねぎやリンゴに含まれています。生姜もNrf2は重要です。生姜は、妊活中はしっかり摂ってください。

また、レスベラトロールや、ゲニステインなどいろいろありますけれども、特におすすめはスルフォラファンがたくさん含まれているアブラナ科野菜です。



どのような野菜や食材を摂れば良い?

アブラナ科の野菜には、ブロッコリー他にもキャベツ、カリフラワー、ルッコラ、大根、わさび、クレソン、小松菜、このようなものがアブラナ科野菜です。当然ブロッコリースプラウトというのはスルフォラファンが多いですから、普段からしっかりとローテーションで摂ってください。

他には、ロイテリ菌が挙げられます。ロイテリ菌は腸内環境アプローチというところでもいいですし、乳酸菌系ですが乳酸菌は非常にデトックス効果がありますから、特にロイテリ菌はおすすめです。

あと玉ねぎです。定番で食べてください。玉ねぎは本当に論文が多く、様々な有害物質を出してくれます。ですから玉ねぎはデトックスにおすすめです。また、紫蘇、モロヘイヤ、ヨモギも良いです。

ビタミンC食品とビタミン食品で挙げたものは、皆さん大抵サプリで摂られていると思いますが、それで十分です。デトックスには抗酸化対策、絶対必要です。また、アルファファリポ酸はデトックスプログラムでよく使われます。

生殖機能を低下させる!アンモニアを排出するためには

アスパラガスも重要です。理由は、最近の研究では、いろんな内分泌撹乱物質を体内に入れないということが重要ですが、体で最も多い有害廃棄物って何だと思いますか?むしろコレに気をつけなければいけません。この物質は生殖能力を下げる、と最近の研究でわかっています。そのヒントが、このアスパラガスやオルニチンを挙げていますが、正解はアンモニアなんです。

最も気をつけなきゃいけない私たちの体を蝕んでいるのがアンモニアなんです。この対策をする必要があります。

特にアンモニアっていうのは疲れた時、ストレスが溜まった時に出ます。当然お肉を食べた時もいくらか出ます。このアンモニアを下毒する機構というのがあって、それに特にいいのがアスパラガスなどのオルニチン系です。オルニチンっていうとしじみや、ぶなぴー、しめじにも多いですが、きのこ類に含まれます。こういったもの普段からとっておくとアンモニアが結構排出できます。また、アルギニンも、アンモニアデトックス良いですね。

和食はデトックスになる!?摂れる野菜は積極的に!

味噌、納豆、玄米系、やっぱりこちらの和食系は有害廃棄物を排出します。もちろん野菜全般もいいです。デトックスプログラムを組む、というのは、妊活中は忙しいですし、大変だからなかなかできないと思います。検査をして、有害金属などが沢山含まれていたらやる必要がありますが、そうではない場合は、普段の食事から排出していくことが大切です。

その中でおすすめなのは、まずはアブラナ科野菜です。そして玉ねぎをとり、アンモニア対策にアスパラガスです。だからアスパラガス食べた翌日の、尿の匂いがきつくなる理由はそういうアンモニアを出しているため、という話もあります。

そして、マグネシウムが重要です。フェーズ2と3の間に、マグネシウムは結構使われます。最後、細胞の外に、グルタチン抱合した有害物を細胞の外に出すときにリン産が必要になるのですが、その時にそのマグネシウムが必要になります。是非、意識して摂ってください。

また、ビタミンB群です。ビタミンB群は解毒(デトックス)の基本です。新しい研究を見ても、PM2.5が多い地域の人を調べて、ビタミンB群をよく摂っている人はその影響が少ないというデータが出ています。

このような点を抑えた上で、色々食べていただきたいなというふうに思います。

妊活に重要なデトックスのお話をさせていただきました。

解毒(デトックス)の基本は、食事からです。普段の食事で食材を少し変える工夫をしてみてください。ありがとうございました。

*本記事は情報提供のみを目的としております。診断治療必要とされる方は適切な医療機関での受診をしてください。皆さまご自身へのアドバイスについては常に医師に相談してください。本記事における情報は医療専門家からのアドバイスに代わるものではありません。

プロフィール

吉冨信長
栄養カウンセラー/分子栄養学セミナー講師
株式会社コミディア代表取締役
「食事や栄養を通じて、世界中の人々の心身ともに健康にし、後世代まで幸福が続いていくこと」を使命とし、分子整合栄養医学をベースとした栄養療法や食事療法、そして自然療法を取り入れ、慢性疾患の予防を日々啓蒙している。

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